先日、祖母の実家(三重のお寺)の法事に招待を受け初めてお邪魔しました。実の祖母は、二男を出産後すぐに亡くなってしまったそうです。その後祖父の界雄(前々住職)は再婚しました。私が記憶にある祖母は実際には血は繋がっていませんでしたが、実の孫と同じように深い愛情を持って育てていただきました。と同時に、実の祖母の話は良く聞いていました。そんな祖母の生まれ育った実家に縁あってお招きいただき、大変ありがたく思いながら、感慨深くお勤めをさせていただきました。私の父が、60年ほど前の写真を見つけ、祖母の実家へお持ちし、みなさんに見ていただきながら話をしました。皆さん懐かしそうに目を細めながらお話をしているのを聞きながら、私の命の足跡に触れた嬉しさを感じました。仏事とは、亡き人を偲び、自分の命に出会う大切な行事であると思います。
亡くなっても、その人の生き様を感じることで、心の中に再び命を宿す。それは、身近であり大切な人であれば尚更です。死は避けられないですが、死した人は、生きる私たちの心に再び命を宿し、生き続けることが出来ます。時には、その命が生きる道標になることもあるかもしれません。迷った時に一筋の光となるかもしれません。そんな一筋の光に出会ったような感じの法事でありました。合掌。